年子母ちゃん、キャリアも育児もええとこどり(を目指す)

夫、1歳の息子、2歳の娘と四人暮らし。 30代、ワーママ(フルタイム)。キャリア優先の人生から一転、インターネットの怪しい子育て情報に翻弄されつつ、日々年子の2人の子どもの母ちゃんとして逞しくなってきています。

【洋書】David J. Epstein『Range: Why Generalists Triumph in a Specialized World』

「人は一芸に秀でたほうがいい、そのためには出来るだけ早く、特定の分野での学習や訓練を始めたほうがいい」という固定観念が説明しえない、多様な経験を経た後で才能を花開かせた成功者が持つ強みに焦点を当て、昨今の変化の激しい社会で求められているスキルとは何かを考察した本です。

Range: Why Generalists Triumph in a Specialized World (English Edition)

Range: Why Generalists Triumph in a Specialized World (English Edition)

 

スペシャリストと呼ばれる人たちは、早いうちから自分の専門分野を見つけ出し、その分野に時間と労力をつぎ込んできたと思われがちですが、実はそうではない、という冒頭の説明からして興味がそそられます。

テニスであればフェデラーだそうですが、テニスをしない私にはピンと来ず 笑。

いろんな分野の経験を積んだ「ジェネラリスト」に共通する特徴としては、最初に自分が取り組んだ分野に固執せず、より自らのスキルや特性を生かせる領域にシフトすることをためらわない姿勢を持つこと、またシフトした新たな分野でも過去の知見を応用して取り組むことができるので、結果的に、真に自分が興味関心がある分野に落ち着くと、これまで培った才能を存分に発揮して、1つの分野だけ取り組んできた「スペシャリスト」には到達できない領域の知識や経験(Range)が備わること、だそうです。

テクノロジーの進化によって史上かつてないほど社会経済の変化が激しい現代においては、単一的で狭い領域の知見しか持たない「スペシャリスト」よりも、多様な知見を応用できる「ジェネラリスト」の方が、前例のない試練に取り組むにあたっては本領を発揮できると説明しています。

以前紹介したTEDトークで、複数の分野にまたがって行動することを恥じるな、というメッセージのものがありましたが、それとはまた異なる角度からの、自分の人生の選択肢を狭めることの危険性に気づかせてくれました。

naraco55.hatenablog.com

他方で、おそらく、本書の「ジェネラリスト」とは、日本的な「どんな部署でも仕事がこなせる人」ではなくて、結局はスペシャリストを指しているのではないかと思います。

今取り組んでいる分野で知見を深めて専門分野を極めていくというスペシャリスト精神を持ちながらも、専門分野をシフト、もしくは、思い切ってスイッチすることもためらわないことで、より自らの才能を活かすことができる環境に飛び込み、独自のキャリアパスをたどってどんどん才能を進化させていく人々のことを、「ジェネラリスト」と呼んでいるのではないかと思いました。

なので、残念ながら日本のザ・ジェネラリスト・サラリーパーソンの生き方が、100年人生時代に通用するというメッセージは1ミリも含まれておりません(当たり前か…)。

ちなみに、本書を読んでまず思いを馳せたのが、我が子の育て方です。

本書では多くのスポーツや音楽の天才がどのようにその才能を花開かせてきたか紹介されています。

彼らの幼少期に共通することは、親が「小さい時から〇〇をさせて才能を育まなければ」という意識は持たずに、その都度我が子が興味があることをさせてやって、例えば習い事にしても、習い事そのものではなく、習い事を通して得られる先生や友達、我々親との関わりを楽しみながら続けていることではないか、と感じました。

親としては、せっかく始めた1つのことを長く続けることに固執しがちですが(行動経済学でいう、サンクコスト効果)、それは長期的な子どもの才能の発揮にはマイナスになりうることを、本書で学ぶことができました。